雨は毛布のように
今週のお題「雨の日の過ごし方」
雨が好きか嫌いか、という質問を投げかければ、
大多数の人は嫌いだ、と答えるのではないだろうか。
濡れるし、
バーベキューとか中止になるし、
髪とか湿気で葛飾北斎並のうねりを見せ出すし。
そもそも傘を持っていることだけで、
人体の最高傑作である手の片方が機能不全になる。
カバンですら持ちたくない私には致命傷なのである。
カバンの中身から見る人間性についての研究 - 気儘なエクリチュール
あと濡れるし。
かくいう私も雨の日は大嫌いであった。
雨が降れば授業を休み、
雨が降りそうなら我が家に籠城を決め込む。
そして自宅にて
「やることがない!」
とうろうろすることこそが、雨の日の過ごし方だと信じて疑わなかった。
だがしかし、である。
そんなヘイト荒天の権化である私に、変化が訪れている。
それは過去にイギリス留学に訪れたことが大きいかもしれない。
イギリスはとにかく雨が多い。
雨か曇りか、そうでなければその真ん中か、
みたいな天気がずっと続く。
一説によると、イギリス人の中には、「晴れ」という単語が存在しないそうだ。
だからなのか、イギリス人ぜんっぜん傘差さないのな。
みんなちょちょいとパーカーのフードを被り、何の気なしに歩いている。
そんな姿をみてイギリスナイズドされたい私は早速真似してみる。
意外と悪くないじゃない。
雨が毛布のように(タイトル回収)しとしとと私を包み込み、非常に心地よい。
(ちなみに「雨は毛布のように」はキリンジというアーティストの曲です。おすすめです。)
知らないとは思うが、私の雨が嫌いな理由ランキング1位は、濡れた後の服とかの処理である。
濡れるのは構わないが、その状態で建物に入り、濡れを波及させてしまうのがいただけない。洗濯とか面倒い。
ただ、ホームステイであった私は、濡れた服を洗濯機に放り込んでおくだけで、翌日にはしっかり乾いて戻ってくる環境にあった。
この環境によって、雨も悪くないじゃない派に傾いたのである。
こうしてすっかりイギリスかぶれになった私は帰国後、
しばらくの間は傘を差さないことに誇りを持っていた。
ただ、やっぱり濡れたくないよなあという本能が目覚め、
さらには周囲からのあいつ濡れすぎじゃね?的な視線が気になりすぎて、
私はそっと手に傘を持つことにしたのだ。