坐禅で坊さんに心を乱された話
日本の文化を忘れそうになってきたので、
坐禅をしにいったときのことを書きたい。
日本の文化じゃ。
私は筋トレが大好きである。
いきなり何を言い出したのか、と思わないでほしい。
最後まで聞いていただきたい。
私の中で筋トレはもはや趣味の域を超えて日常。
生活から切り離せないものとなっている。
それまでは趣味=筋トレというかわいいものだったのだが、ついにそんなレベル感ではなくなってしまったのだ。
突如趣味を失った私は趣味を求めてネットの海に飛び込んだ。
すると、鎌倉で坐禅体験ができるという記事を発見。
これだ。
筋トレという動的なものから、反動でその対極的なものを求めていたのだ。
まさに。
とネットの海から上がった私は、まだ濡れたままの体で鎌倉に向かった。
ここで坐禅ができるらしい。
しかも無料で。予約も必要なかった。
集合時間に所定の場所へ向かうと、
なかなかな行列。
列の後ろの方の人は、坐禅会場に入りきらず、
その横の玄関みたいなところでやるはめになってた。
私はというと..........
ど真ん中最前。
テレビの観覧みたいに横に並んでの最前列ではなく、
縦の配列である。
部屋の正面から縦に6列ほど。
その中の真ん中の列の一番前。
初心者が座るには荷が重すぎる位置である。
異常な緊張を感じつつ待っていると、
お坊さん登壇。
坐禅の基本や考え方などを説く、
坊's show timeが始まった。
どんどん熱が入り、饒舌になっていくお坊さん。
盛り上がりが最高潮に達した時、突如として
客振りを始めたのである。
無作為に指名し「今日は何で坐禅をしようと思ったのですか?」と聞き回る。
聞き回る。聞き回る。。聞き回る。。。
けっこうたくさん聞くんだな。
軽く10名ほど聞いていただろうか。
もう終盤の方とかネタ切れ感ありましたよ。
「同じこと言ってすいません」感でてましたよ。
ようやく所定の位置(私の目の前)に戻ってきたお坊さん。
ついに始まるのか....
と覚悟していた矢先、
「あなたは何で坐禅をしようと思ったのですか?」
完全な不意打ちが私を襲ったのである。
そのあまりにも見事な奇襲は、私の思考を混乱させるのに十分であった。
「いや、え、あの、、日本人として、日本の文化を知るべきなのかなと思いまして.....」
やたらウケました。
お前は何者なんだ、みたいな発言が受けたのでしょう。
お坊さんも笑ってるし。振っといて笑ってるし。
どう考えてもオチに使われた私は完全に錯乱状態。
プチパニック。
そんな私を嘲るように、お坊さんが
「では、始めます」
このままでは坐禅どころではない、
慌ててポーズをとり、集中、集中と乱れた心を正そうとするも、圧倒的なアドバンテージを抱えたため、なかなかうまくいかない。
その時
バァンッ‼︎‼︎
と突如爆音が轟いた。
坊さんが開始の合図の鐘を鳴らしたのである。
なぜ鐘がこのような爆音をさせるのか、
それは私の目の前にその鐘があったからである。
それもかなり大きめの。
この音のせいで私の心は千々になってしまった。
心を平静に戻すので精一杯だった。
どうせ終わりの合図でまた爆音来るんでしょ?わかってるんだよ?
と気持ちはさながら"絶対に驚いてはいけない坐禅体験"
案の定やってきた終了の爆音に耐え、
坐禅の奥深さを噛み締めたデビュー戦となった。
みなさんも心が乱れてるなと感じたら、ぜひいかがでしょうか?
こんなこと書いといてあれですが、
終わったあとはやたら気持ちがすっきりしてました。
また行きたいと思ったので、☆4つです。
アマゾンのレビューみたいになってしまったので、この辺で。