ミャンマーに潜むタナカの謎
あいも変わらず仕事の合間にミャンマーのことばかり調べている。
ミャンマーとは一体なんなのか。
東南アジアにある国である。
そんなことはわかっている。
こんなにも私を引きつけるこの国は一体なんなのか。
私が記憶を失う前になんらかの関わりを持っていたのか。
それとも、
私の生き別れた兄が彼の国に住んでいたのか。
いずれも釈然としない。
私には失った記憶も生き別れた兄もいないからかもしれない。
こんなことを考えていながらミャンマーを調べていくと、こんな記事に目が止まった。
『ミャンマー女性のタナカ離れ』
日本で一大勢力を誇る"タナカ"から、ミャンマーの女性が離れていっている?
そもそもミャンマーでタナカは身近なものだったのか。
タナカから離れるとはどういうことか。
サトウやヤマダではだめだったのか。
私の友人のタナカとは関係あるのだろうか。
とりあえずの手がかりを求めて、友人のタナカに聞いてみた。
タナカ「俺がモテない理由がミャンマーにあったのか。」
私「君とは何も関係がないと知りながら聞いた私も悪いけれど、それとこれとは別問題だと思うの」
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1980年、ミャンマー。
世はタナカ全盛期。
街行く人々の話題はタナカばかり。
テレビでは美男子達が手を振りながら踊っている。
スターダンスユニット、TANAKA☆だ。
リーダーのタナカを筆頭に、
人気No. 1のタナカ、歌唱力に定評があり、最近ソロ活動にも積極的なタナカなど、
個性豊かなメンバーが揃う。
かと思えば、バラエティ番組のアンケートで「今一番飼いたいペットはなんですか?」という質問に、2位の犬に圧倒的な差をつけ、タナカが1位となっていた。
他にも人気旅行先ランキング1位タナカ。
20歳になったらやってみたいことランキングの1位もタナカ。
もはやタナカはミャンマーの一部となっていた。
国名をタナカにしようという過激派も現れた。
ザンギリ頭を叩いてみればタナカタナカと音がする。
そう、世はまさに大タナカ時代であった。
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そんな時代は一体いずこへ。
今やミャン女(ミャンマー女性の略)は口ぐちに言う。
「タナカって何かダサくね?」
「昔の流行り物って感じ」
「今ソバージュにするみたいな絶妙なダサさ」
「タナカって響きがウケる」
推測するにこんな感じなんだろう。
タナカ離れとはこんな感じなんだろう。
ところで、タナカってなに?
疑問が一巡したところでやっとグーグルを開き、調べてみることにした。
「調べる前に、まず考えなさい」と教わったからだ。
曰く、タナカとは女性が施す化粧のことで、目の下とかに塗ったりするものらしい。
ファッション的な意味合いの他にも、美肌効果的なこともあったりと、なにかと便利なやつらしい。
そしてその化粧品の原料がタナカの木、ということであるらしい。
ミャンマー男性の中には、ミャン女のタナカ姿にキュンとする人も多いのだとか。
そんなタナカが、他国の文化が流入し始めた影響で、なくなってきていると。
しょうがないような、切ないような。
そんな記事だった。
海外にまで田中いんのかよw
とか、
田中って日本だけで充分だと思うなあ。
とか甘っちょろいこと言ってる場合ではなかった。
思いの外、文化のせめぎあいを考える結果になった。
ミャンマーでのタナカさんのご活躍、お祈りしております。