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天井は回る

 

我が家の天井は回る。

さながらメリーゴーランドのように、ぐるぐると。

 

妄言を吐いているわけではない。

本当の話なのだ。

 

回る天井に苦しめられた挙句、引越しすら検討している。

 

一人暮らしのレオパレス住まいであり、

一見するとなんの変哲もないアパートである。

 

ここに住みだしてから一年ほど経つが、

仔細な分析により、

天井が回るには条件があるとわかった。

 

その条件とは、

 

恐ろしいほど酔っ払って帰ってきた時と、その次の日のベッドの上で起こる。

ということ。

 

由々しき問題である。誠に遺憾である。

 

酔っ払って帰ってきた時に、一刻も早く気持ちよく寝たい、というのは人類共通の本能である。

 

そこを邪魔をするように天井がぐるぐるぐるぐる........

 

朝起きた時なんかはもっとひどい。

 

ただでさえ二日酔いで気持ち悪いのに、

追い討ちのごとく目を回してくる。

地球の自転に置いていかれてる気分になる。

 

快眠とはほど遠い。

 

友人に相談しても、

「ついにおかしくなったか」

「酒の飲み過ぎで思考能力の低下が著しいな」

「そんなことだから彼女に悲しまれるんだよ」

 

などと人格否定の要素を多分に含んだコメントをもらうだけであった。

 

ただ、天井が回るという稀有な経験をしている人は私だけではないみたいだ。

 

友人の中にも何人かいた。

そしてその友人はみなすべからく大酒飲みであるということもわかった。

 

ここから導き出せることは、

大酒飲みは天井の回る家に住む確率が高いということである。

さらに、天井の回る家は、日本にそれなりの割合で存在するということもわかった。

 

この事実が報じられないのは何故なのか、

明らかにワケあり物件じゃないか。

 

なにか背後に渦巻く巨大な陰謀に怯えながら、

今日も天井は回る。