海外生活と嫁と筋肉と

25歳で大手企業を辞め、海外企業に転職、嫁と一緒に海外生活している人のブログ。

ちょっと横浜まで。ちょっと博多まで。


2016/03/09、福岡県は博多に降りたった。
友達に会う。
それ以外は何も決まってない。
というのも博多行きが決定したのは前日の夕方のことである。調べる間もない。

友「明日12時に天神集合な」

私「そんなちょっと横浜来てよみたいなノリで言われても...」

友「AもBもくるからさ、みんなで集まりたいでしょ」

私「だからって神奈川からどんだけかかると思ってんだ」

友「いいから来い」

私「」

こんな傍若無人荒唐無稽な振る舞いが許されるのだろうか。
と言いながらも、かねがね福岡には行きたいと思っており、こんなことでもない限り行く機会はないだろうと、
知らぬ間に行く気になっていた私。

フッ軽王子の名を欲しいままにできる資格があると思う。間違いない。

そんなわけで雨の中無事福岡に到着し、友達と合流。

私「急な呼び出しをしたからには我々をもてなしてくれるプランがあるのだろう?福岡を満喫したい」

友「とりあえずラーメン食べてからうちに行こう」

私「???」

ラーメンはいい。博多ラーメンを本場で食べたかったし実際においしかったし。
問題はその後そいつの家にいってなにをするというのか。
そいつの家は福岡名物なのか。
博多弁を喋る可愛い子が跳梁跋扈してるというのか。

といいつつも降りしきる雨から逃げるように友達宅に到着。これからの予定を話す。
雨だから周辺うろうろするのはやめて、どこか観光地的な所、それも屋内の所に行こう。
ただ、そういう所はまあまあ中心地から離れており、車が必要とのこと。
車はあるにはあるが、全員乗れない、つまり使えない。
バスでいくと時間がかかりすぎる。
レンタカーは面倒だしお金がかかる。



おい。


もう少しやる気というものを見せておくれよ。



ここで友によるとどめの一言。

友「そもそも福岡に観光するとこなんてない」


会心の一撃を受け、息も絶え絶えの中、

私「で、でも食べ物おいしいよね?夜はもつ鍋とか食べようよ?」

友「わかった。予約しとくわ」

ようやく福岡っぽい予定が組み込まれた。嬉しい。


夕飯の時間までは近くのショッピングセンター(キャナルシティ)でウィンドウショッピング。

が、

友A「久々に熱でた。具合悪い。帰ります。もつ鍋が食べたい人生だった」

とまさかの一人退場。

残されたメンバーでもつ鍋へ。

もつなべ、おいしかったです。
喜多屋というにほんしゅも、とてもおいしかったです。水みたい。
またきたいとおもいました。

こんな小学生でも逆立ちしながら書けそうな感想しか書かないのは、
ここでそんなに面白いことが起こらなかったからです。
有り体に言えば省略。

その後、友とは解散。残されたのは私と友B(三重県出身)。
ついさっきようやく予約したホテルに向かう道すがら

私「中洲という地には桃色の世界が広がっており、お金を払った男は皆恍惚の表情を浮かべているらしい。誠にけしからん。一つ世直しする必要があろう?」

友B「ようは金玉したいんやろ?」


そんなはっきり言わんでも...
いやはっきりなのか、この表現は。

ともあれホテルに荷物を置き、準備を整えた私と友は中洲へと歩を進めた。
その背中は博多弁に萌える男たちのえも言われぬ色の蒸気が吹き出していたという。

私「着いたぞ、友よ。ここが桃色の魔窟。いざ退治せん!」

友B「金○したいだけやろ」

ここでの出来事については都合上省略する。
太ったミスターポテトヘッドに襲われた気がするがあまり覚えていない。

人間というのは本当にショッキングな出来事を記憶から葬り去ることが出来る。
この特性が人類の知への探求、永遠の挑戦を、ひいては文明の発展を可能にしてきたと言われている。
皆自分にとって都合の良い記憶だけを残して生きていく。それが人間なのだ。

私「焼き鳥でも食べながら反省会をしようではないか。我々が挑むには時期尚早であったようだ」

友B「いやーいいとこやね。すっきりしたわ」


股間辺りをいじりながら恍惚の表情を浮かべて出てきた友を引きずり、近くの焼き鳥屋へ。

何気なく入ったこの焼き鳥屋がとんでもなくうまかった。
なにを食べても外れる気配のないメニュー達に先程の敗戦の過去はたちまち雲散霧消。
気さくなおかみさんと談笑しながらばくばくばくばく。

時も忘れて、そして私達が学生の貧乏旅行であるという事実も忘れ、お会計のときにうろたえた以外は100点満点のこのお店は、次回博多に来る機会があったらまた必ず訪れるだろう。

こうして博多の夜は感情の乱高下を短いスパンで経験した私をホテルに送ったあと、更けていった。

福岡は確かに観光という面で考えると弱い部分がある。
しかし、食べ物は何を食べてもおいしいし、なにより人と関わることで、その魅力が現れてくる街だった。
福岡という街に誇りを持ち、嬉々としてその魅力を語る姿。
相手を想い、積極的にもてなそうとしてくれる姿。

これこそが福岡の魅力であろう。
あと美人の博多べ......

そんな姿にすっかり魅せられ、再訪の意を固めながら、帰路につく。